活動性SLE治療にBLyS・APRIL二重阻害薬登場:18C010試験
A Phase 3 Trial of Telitacicept for Systemic Lupus Erythematosus
背景
Bリンパ球刺激因子(BLyS)とAPRIL(増殖誘導リガンド)の2サイトカインを阻害する新規二重阻害薬telitaciceptの、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)成人患者に対する効果・安全性は。
中国Peking Union Medical College HospitalのZhangら(18C010)は、標準治療を受けている活動性SLE成人335名を対象に、これを検証する第3相RCTを行った(対照: プラセボ)。
一次アウトカムは、52週時点での修正SLE 反応指標4(SRI-4)であった。
結論
Telitaciceptの一次アウトカム効果を認めた[67.1% vs. 32.7%]。しかし、実薬群では、上気道感染(31.7% vs. 19.0%)・血清IgG低下(15.6% vs. 1.2%)・血清IgM低下(15.0% vs. 0.6%)・注射部位反応(12.6% vs. 0.6%)の発現頻度が高かった。
評価
中国RemeGen創薬のfirst-in-class組み換えBLyS・APRIL二重標的化融合タンパク薬で、同社の既存薬belimumab(BLySのみ阻害)の次世代となる。高い治療反応率を示して、中国ではすでに承認されたが、先行した二重阻害薬ataciceptは重篤感染症で試験中止に至っており、世界的に承認されるためには、非中国人集団での長期安全性の検証が必要である。

