小児てんかん重積のファーストラインでケタミン+ミダゾラムが有望:Ket-Mid Study
Combined Ketamine and Midazolam Versus Midazolam Alone for Initial Treatment of Pediatric Generalized Convulsive Status Epilepticus (Ket-Mid Study): A Randomized Controlled Trial
背景
小児の全身性痙攣性てんかん重積状態(generalized convulsive status epilepticus: GCSE)に対しては、第一選択薬としてミダゾラムが一般的に使用されるが、約1/3の症例では発作の抑制に至らない。近年、難治性SEに対してケタミンの有効性が示唆されているが、初回ミダゾラムへの併用はどうか?
エジプトSohag UniversityのOthmanら(Ket-Mid Study)は、小児救急外来において生後6ヵ月から16歳の小児GCSE患者に対し、ケタミン+ミダゾラムまたはプラセボ+ミダゾラムを投与し、投与後5分以内に臨床的に発作が停止した患者の割合を比較するRCTを実施した(n=144)。
結論
5分以内の発作停止は、ケタミン併用群で76%、プラセボ群で21%であった(リスク比[RR] 3.7)。
ケタミン併用群では、15分後(76.4% vs 23.6%; RR 3.2)、35分後(83.3% vs 45.8%; RR 1.8)、55分後(88.9% vs 72.2%; RR, 1.2)の発作停止率が高かった。また、ミダゾラムの再投与(23.6% vs 79.2%; RR, 0.3)や気管挿管(4.2% vs 20.8%; RR, 0.2)を要した患者の割合は減少した。
評価
標準治療薬であるミダゾラムに対するケタミンの追加は、発作の速やかな停止につながり、ミダゾラムの追加や挿管のリスクを大幅に低下させた。
比較的小規模、かつ先進国とは環境の異なる単施設研究ではあるものの、本試験のアウトカム差は非常に印象的であり、外部検証が求められる。

