パッチ型ECGモニターによる心房細動スクリーニング:AMALFI試験
Remote Screening for Asymptomatic Atrial Fibrillation: The AMALFI Randomized Clinical Trial
背景
心房細動(AF)の早期発見は、抗凝固薬の使用を増やし脳卒中を減らす可能性がある。
イギリスUniversity of OxfordのWijesurendraら(AMALFI)は、脳卒中リスクが中〜高度の高齢者5,040名を対象に、郵送による単回14日間のパッチ型ECGモニターを用いた遠隔スクリーニングの、AF診断に与える影響を検討するRCTを行った(対照:通常ケア, 2.5年間)。
一次アウトカムは、ランダム化後2.5年以内にプライマリケア記録にAFが記録された参加者の割合であった。
結論
一次アウトカムは、介入群で6.8%、対照群で5.4%記録され、対照群と比較してAF診断のわずかながら統計的に有意な長期増加につながった。また、抗凝固薬への平均曝露期間も介入群で有意に長かった(1.63ヵ月 vs. 1.14ヵ月)が、脳卒中の発生率に有意差はなかった。
評価
パッチ型ECGモニター(ここではiRhythm TechnologiesのZio long-term continuous monitoring)は、診断目的ではすでにホルターモニターを置換しつつあるが、スクリーニング目的での使用の本格検証は、これが初である。AF診断をわずかに増加させたが、検出されたAFの55%はAF負担10%未満で、この種のスクリーニングで検出されるAFの多くが間欠的であることが確認された。また、AF診断と抗凝固療法導入増が示された一方、脳卒中イベントにはインパクトがなかった。費用対効果問題があり、この方向が直ちに目指される可能性は低い。