膝OAに対する集団理学療法の導入を促進するために
Implementation of Group Physical Therapy for Knee Osteoarthritis: A Cluster Randomized Clinical Trial
背景
変形性膝関節症(膝OA)に対する集団理学療法(Group PT)は、従来の個別療法と同等の効果と効率性を示すが、その導入を支援するための最適な戦略は。
アメリカDurham Center of Innovation to Accelerate Discovery and Practice TransformationのAllenらは、19施設の膝OA患者144名を対象に、基本支援と強化支援を比較し、Group PT導入のためのより効果的なアプローチを特定するクラスターRCTを行った。
7ヵ月目から12ヵ月目に、ペネトレーション(一次アウトカム、月あたりの平均患者登録数)とフィデリティ(最大6回受講した患者1人あたりの平均受講回数)を評価した。
結論
集中的強化支援は、ペネトレーションおよびフィデリティにおいて、基本支援を有意に上回らなかった。両群とも導入率は高かったものの、ペネトレーションは低水準に留まっており、導入を促進することの困難さが示唆された。
評価
基本支援には、セルフガイドツールと毎月のオフィスアワーコールが含まれた。強化支援では、6ヵ月までに少なくとも1回Group PTクラスを実施し、最少5名の患者を登録するという導入ベンチマークを達成したかどうかについて評価された。9ヵ月時点でのベンチマークを満たさなかった施設に対して、カスタマイズ支援(外部ファシリテーション)を追加した。ここでの結果は、基本支援が多くの施設にとって十分である可能性を示唆した一方、カスタマイズ支援(強化支援)の導入は、ペネトレーションの改善に不十分であった。これは、支援の強度ではなく、紹介の促進など、導入障壁に対処するための別の戦略が必要であることを示している。ただし、患者の機能改善と高い満足度は、Group PT自体は有効な臨床介入である、という先行研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26586865/)を裏付けている。