難治性の目撃あり院外心停止患者を心停止中搬送すべきか:EVIDENCE study
Expedited transfer from the scene for refractory out-of-hospital cardiac arrest in Australia: a prospective, multicentre, parallel, open label, randomised clinical trial
背景
現場での二次救命処置(ALS)が失敗に終わった難治性院外心停止(OHCA)患者では、そのまま現場で可能なALSを継続すべきか、それとも侵襲的ケアの可能な施設に早期搬送するべきか。
オーストラリアUniversity of SydneyのBurnsらは、内科的原因と推定される目撃ありOHCAであり、バイスタンダーCPRを受け、初期リズムが心静止でなく、15分以上の二次救命処置を受けたにも関わらず、自己心拍再開のみられない患者を、迅速な病院搬送(介入群)または現場での蘇生継続(対照群)へと割り付け、機能的良好退院率を比較する多施設共同RCTを実施した(n=206)。
介入群では、機械的胸骨圧迫デバイスを使用した心臓カテーテルセンターへの搬送、即時の冠動脈造影、体外循環式心肺蘇生法(ECPR)評価を含むバンドルケアが行われた。
結論
患者の年齢は中央値57.0歳、82%が男性であった。
神経学的良好アウトカムでの退院率は、介入群で15%、対照群で16%であった(リスク差-1.1%, 調整済み相対リスク 0.95)。
評価
長年議論が行われてきた重要なテーマでのRCTであったが、高度な治療が可能な施設への早期搬送は、難治性心停止患者のアウトアムを改善しなかった。
タイムリーな高度治療が可能な場合には、迅速な搬送は合理的な選択肢となりうるが、それ以外の状況では当面、現場でのALS継続がスタンダードとみなされるだろう。