国内初の条件付きMRI対応植込み型両室ペースメーカ(CRT-P)を発売

～トンネル型1.5テスラMR装置による、一定の条件下でのMRI検査を可能にします～

バイオトロニックジャパン株式会社
2014年1月6日

2014年1月

報道関係各位

バイオトロニックジャパン株式会社

バイオトロニックジャパン株式会社(本社：東京都渋谷区、代表取締役社長：ジェフリー・アニス)は、2014年1月6日より、国内初の条件付きMRI対応植込み型CRT-P、「エヴィア　HF-T Pro」を販売開始いたしました。

CRT-Pは、心室同期不全と呼ばれる心臓の壁運動のタイミングのずれによって生じる心不全に対して有効との報告が多い、心臓ペースメーカを応用した心臓用植込み型医療機器です。CRT-Pは、リード線を介して右心房と、右心室、左心室の両心室をタイミングよくペーシングすることで心臓を収縮させ、心室同期不全に伴う心不全症状を軽減することが知られています。また、CRT-Pの適応となる重症心不全の多くの症例が、心房細動を合併することが知られており^1,2)、心原性脳梗塞の発症リスクが一般の方よりも高いと言えます^3,4)。
脳梗塞を早期に診断し、治療を開始することは、患者さんの生活の質を下げないためにも非常に重要であり、そのためにはMRI検査が有用です。バイオトロニックジャパンが販売開始した「エヴィア HF-T Pro」は、従来、MRI検査が禁忌とされていたCRT-Pの常識を覆し、特定のペーシングリードと組み合わせて使用することにより、頭部MRI検査を始め、一定の条件下でのMRI検査を可能にしました。近年、条件付きMRI対応のCIEDs(心臓血管植込み型電子デバイス)は世界的潮流となっており、国内においても新規植込み手術の機種選定のゴールドスタンダードになりつつあります。

また、エヴィア HF-T Proには、ホームモニタリング機能が備わっています。医療関係者は、ホームモニタリング機能によって、患者さんの日々のCRT-Pの状態や不整脈を始めとする生体情報を、PC等からインターネットを介して遠隔で確認することができ、患者さんの不安を軽減することも可能にします。更には、無症候性心房細動などの早期発見、および早期治療開始が期待できます。このように、ホームモニタリング機能は遠隔医療の一種であり、ホームモニタリング機能を利用した患者管理は、医療関係者からユーザーフレンドリーであると高く評価されています。

1) J.Claude Daubert：Introduction to atrial fibrillation and heart failure：a mutually noxious association. Europace 5 2004：S1-S4
2) 心臓リズムマネジメントを究める：p.334, 2009：編集　奥村謙, 株式会社メディカルビュー社
3) WolfPA, et al, Stroke 1991;22:983-988
4) Hohnloser SH, et al：J Am Coll Cardiol 50：2156-2161, 2007

BIOTRONIK社について
バイオトロニック社は世界を代表する心臓血管関連の医療機器製造業者の1つで、ドイツのベルリン本社をはじめとして全世界に5,600人以上の従業員を抱え、100カ国以上にわたりビジネスを展開し、数百万個の機器の植込み実績を誇っています。1963年にドイツ初の植込み型心臓ペースメーカを開発して以来、BIOTRONIKは、市場にいくつものイノベーションを発表してきました。その代表的なものとして、2000年に米国で導入された世界初の心臓植込み型デバイスの遠隔モニタリングシステムであるBIOTRONIK Home Monitoring®や、2012年に欧州で許可された世界初の条件付きMRI対応植込み型除細動器および両室ペーシング機能付き植込み型除細動器などがあります。

バイオトロニックジャパン株式会社について
バイオトロニックジャパン株式会社は、ドイツ・BIOTRONIK社の心疾患治療技術をいち早く日本に導入するため、2003年10月に日本ビオトロニック株式会社として設立された日本法人です。2005年9月にバイオトロニックジャパン株式会社と改名しました。ドイツ企業特有の技術力と製品開発力、医師、コメディカルおよび患者さんのニーズを素早く反映するスピードを活かし、今後も日本における先端技術のイノベーションを目指して活動してまいります。
Http://www.biotronik.jp