中期〜後期早産児に対する栄養支援は無益:DIAMOND試験
Nutritional Support for Moderate-to-Late−Preterm Infants−A Randomized Trial
背景
中期〜後期早産児には栄養支援処置が行われる場合が多いが、エビデンスベースは貧弱である。
ニュージーランドUniversity of AucklandのBloomfieldら(DIAMOND)は、在胎32週0日〜35週6日で出生し、静脈アクセスがあって母親に母乳育児の意思がある新生児532名を対象として、これを検証する多施設非盲検化RCTを行った。児を3介入または対照の計6群に割り付けた[(1)母乳または人工乳による完全栄養が確立されるまでアミノ酸(静脈栄養)、またはブドウ糖溶液を静脈内投与する群,(2)母親の母乳が不十分な場合にドナー母乳または人工乳を補充するか、または母親の母乳のみで補充をしない群,(3)胃管栄養前に味とにおいに曝露させるか、または味とにおいに曝露させない群]。一次アウトカムは、(1)・(2)では 調整在胎期間4ヵ月時点での体脂肪率、(3)では 完全経腸栄養までの期間である。
結論
(1)〜(3)全介入で、対照群との間に一次アウトカム有意差を認めなかった。
評価
重要な問題に関する初めての徹底的なRCTにより、多くの施設で漠然と行われている実践に対し、無益というエビデンスを提示した。制約点としては、非盲検化、サポート期間の短さ、パンデミックに起因する自宅での実施、および観察期間の短さ等があるが、「有益」と主張するためには、より強いエビデンスの提出が必要となった。