無症候性心房細動患者の脳卒中予防のためのアピキサバンは、「有効だが安全性に懸念」:ARTESiA
Apixaban for Stroke Prevention in Subclinical Atrial Fibrillation
背景
短期無症候性心房細動(SCAF)は脳卒中リスクを2.5倍増加させるが、経口抗凝固療法の効果は。
カナダMcMaster UniversityのHealeyら(ARTESiA)は、6分〜24時間持続するSCAF患者4,012名を対象として、これを検証する二重盲検二重ダミーRCTを行った。患者を、アピキサバン5mg/1日2回投与群とアスピリン81mg/1日1回投与群に割り付けた。 有効性一次アウトカムは脳卒中または全身性塞栓症、 安全性一次アウトカムは大出血である。
結論
平均追跡期間3.5年で、アピキサバンの一次有効性アウトカムに対する優越性を認めた(HR 0.63)。他方、一次安全性アウトカムの発生はアピキサバン群が高かった(HR 1.80)。
評価
ガイドラインの存在しない問題的テーマで、すでにNOACの効果を試みたNOAH-AFNET 6は安全性の懸念で中止されている。この大規模RCTは、Bristol-Myers Squibb-Pfizer が一部出資しているが公的なものであり、信頼度は高い。しかし、「有効だが安全性に懸念」という結果は、使用のガイドライン化には不十分であり、未決状態が継続される。