ASPREEが示す、高齢者心血管イベント1次予防にアスピリンは有害無益
Effect of Aspirin on Cardiovascular Events and Bleeding in the Healthy Elderly
背景
アスピリンの心血管イベント1次予防効果は、殊に高リスクの高齢者では不明である。オーストラリアMonash UniversityのMcNeilら（ASPREE）は、70歳以上の参加者19,114名を対象としてこれを検証するRCTを行った（対照：placebo）。一次エンドポイント（全死亡・認知症・持続的身体障害）結果は別論文で報告している（https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1803955）。二次エンドポイントは、大出血・心血管疾患（致死的冠動脈疾患・非致死的心筋梗塞、・致死的または非致死的脳卒中・心不全入院）である。
結論
フォローアップ中央値4.7年時点で、アスピリン群で大出血リスクが高い（HR:1.38）一方、心血管疾患リスクに差はなかった。
評価
Lancet発表のARRIVE結果を裏打ちし（http://www.medicalonline.jp/news.php）、さらに高齢者では出血高リスクであることも示した。このアイディアの根本的見直しをせまる結果である。
