安定狭心症に対するPCIの効果をシャム手技対照RCTで検証:ORBITA-2
A Placebo-Controlled Trial of Percutaneous Coronary Intervention for Stable Angina
背景
安定狭心症の症状軽減のために経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が行われているが、シャム手技対照RCTエビデンスは弱い。
イギリスHammersmith HospitalのAl-Lameeら(ORBITA-2)は、同患者を対象として、二重盲検シャム手技対照RCTを行った(n=301, 平均年齢64±9歳, 男性79%)。患者はランダム化2週間前に全ての狭心症治療薬を中止し、症状評価を受けた。その後、PCIまたはシャム手技を割り付け、12週間追跡した。一次アウトカムは、狭心症症状スコアである。
結論
虚血は、80%の患者で1枝、17%で2枝、2%で3枝存在した。対象血管のFFR中央値は0.63だった。一次アウトカムにおけるPCIの優越を認めた(オッズ比 2.21)。シャム手技群の1名が失明につながる重症狭心症により盲検から外れた。急性冠症候群はPCI 群で4名、プラセボ群で6名に発生した。
評価
同グループは、2018年のシャム手技対照試験ORBITA ではPCIの無効を結論していた(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29103656/)。今回の試験はFFR評価を導入した、より洗練されたもので、有効性を確定したが、効果幅は予測より小さかった。