STEMI-PCIにおけるBP-SESは長期でもDP-EESに優越:BIOSTEMI
Long-term outcomes with biodegradable polymer sirolimus-eluting stents versus durable polymer everolimus-eluting stents in ST-segment elevation myocardial infarction: 5-year follow-up of the BIOSTEMI randomised superiority trial
背景
BIOSTEMIは、新世代極薄ストラット金属プラットフォーム・生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステント(BP-SES)Orsiroが、耐久性ポリマー・エベロリムス溶出ステント(DP-EES)Xienceに比して一次PCIを受けるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、ステント関連早期臨床アウトカムの改善を示した。
同試験のスイスGeneva UniversityのIglesiasらは、その5年追跡結果を報告している(n=1,300、1,622病変)。
一次エンドポイントは、5年時点での標的病変不全(心臓死・標的血管心筋再梗塞・標的病変血行再建の複合)である。また、率比が1未満となるベイズ事後確率(BPP)が0.975より大きい場合に、BP-SESはDP-EESに対して優越性があるとした。
結論
一次エンドポイントの発生は、BP-SES群で8%、DP-EES群で11%で(差 -3%, 率比 0.70, BPP 0.988)、BP-SESの優越性が認められた。
この差は、標的病変血行再建のリスク(4% vs. 6%, 0.59, 0.979)がBP-SES群で有意に低かったことが原因であった。
評価
Biotronikファンドによる高注目度の直接比較試験で、早期結果もポジティブであったが、生体分解性の効果が明らかとなる今回の結果は有意義である。
しかし、DESも進化しており、BP-SESが標準化するかどうかは不明である。

