高血圧治療の礎石、"減塩"の効果を確認:CARDIA-SSBP
Effect of Dietary Sodium on Blood Pressure: A Crossover Trial
背景
中高齢者の食事に含まれる塩分量が血圧に与えるインパクトは。
アメリカVanderbilt University Medical CenterのGuptaら(CARDIA-SSBP)は、50〜75歳の正常〜高血圧患者213名を対象として、塩分摂取量に対する個々人の血圧反応を検討するクロスオーバー前向コホート研究を行った。患者には通常食摂取時にベースライン面接を行い、その後1週間ごとの高塩分食(1日通常食に塩分 2,200 mg追加)、低塩分食(1日合計塩分 500 mg)介入を行った。一次アウトカムは、24時間自由行動下血圧の平均である。
結論
標準食・高塩分食・低塩分食摂取時の収縮期血圧中央値は各125・126・119 mmHgで、高塩分食と低塩分食間の平均動脈圧の個人内変化に有意差はなかった(変化中央値 4 mmHg)。
高塩分食に対し、1週間の低塩分食は平均8 mmHg収縮期血圧を低減し、さらに73.4%の患者において収縮期血圧を低減した。
評価
DASH試験が四半世紀前に確立した高血圧治療の基本(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11136953/)を再確認した。DASH食により、ナトリウム摂取を1日あたり約3,300 mgから1,500 mgに減らすと、収縮期血圧は7 mm Hgと大幅に低下するが、未だアメリカ人の生活習慣には浸透していないようである。


