スウェーデンのリアルワールド研究がDAPTスコアの妥当性に疑問
External Validation of the DAPT Score in a Nationwide Population
背景
DAPTスコアは、冠動脈ステント留置後のDAPT期間の決定に用いるため2015年に導入された簡明スコアリングシステムで、一定程度受容されているが有用性の再検証は必要である。スウェーデンKarolinska InstitutetのUedaらは、同国SWEDHEART登録データ(2006〜2014年)を用いて外部評価を行った(n=41,101)。
結論
スコアの識別能(c-statistcs)はMI/ステント血栓症に対し0.58、MACCに対し0.54、致命的/重大出血症に対し0.49であった。較正も不十分であった。 DAPTスコアは虚血性・出血性リスクを正確に識別できず、これによるDAPT意思決定ルールはリアルワールド状況では有用でない可能性がある。
評価
同スコアはDAPT試験の解析結果に基づいて提案されたもので、すぐにアメリカでガイドラインに取り入れられたが、EUでは抵抗があった。スウェーデングループはすでにPRODIGY結果を用いて同スコアに一定の留保を示していたが(http://annals.org/aim/article-abstract/2631185)、リアルワールドデータでも「疑問」という結果をだした。


