片頭痛に対するデキサメタゾン、至適用量は不明
Randomized Trial Comparing Low- vs High-Dose IV Dexamethasone for Patients With Moderate to Severe Migraine
背景
片頭痛に対してデキサメタゾンを投与すると、外来退院後の再発を減少させることが知られており(https://doi.org/10.1136/bmj.39566.806725.BE)、アメリカ頭痛学会(AHS)は救急の急性片頭痛患者への使用を推奨している。ただし、至適な用量は確定しておらず、高用量(20〜24 mg)を検証したRCTでは差が示されなかった。
アメリカMontefiore/EinsteinのFriedmanらは、中等〜重度の片頭痛により救急受診した成人患者に対する標準治療薬メトクロプラミド10 mgの静注に加えて、デキサメタゾン4 mgまたは16 mgの静注を割り付ける多施設RCTを実施した。
結論
1,823名がスクリーニングされ、209名がランダム化を受けた。72%が重度の片頭痛であった。
48時間持続する頭痛の緩和は4 mg群の34%、16 mg群の41%で達成された(絶対差7%、有意差無し)。2時間以内の頭痛緩和、1週間以内の頭痛日数のアウトカムにも群間有意差はなかった。
評価
高用量のデキサメタゾンに追加的なベネフィットは認められなかった。先行結果と併せて、多ければ良いわけではないことは明らかだが、最良の再発予防戦略は依然不明である。


