がん検診の精検受診率はどうすれば高まるのか
A Multilevel Primary Care Intervention to Improve Follow-Up of Overdue Abnormal Cancer Screening Test Results: A Cluster Randomized Clinical Trial
背景
がん検診を受ける個人の中には、異常な所見が見られたにもかかわらず、その後のフォローアップ検査を受けないケースがしばしばみられ、早期発見によるタイムリーな介入の機会を失わせる原因となっている。
アメリカMassachusetts General HospitalのAtlasら(mFOCUS)は、3つの医療ネットワークで、2020年8月から2021年12月に乳がん・子宮頸がん・大腸がん・肺がん検診で異常を認められたにもかかわらず、フォローアップが完了しなかった患者に対し、通常ケア(1群)、電子カルテ上のリマインド(2群)、電子カルテリマインドと郵便・電話によるアウトリーチ(3群)、電子カルテリマインドと郵便・ナビゲーターからの電話によるアウトリーチ(4群)を、プライマリケア診療所(n=44)単位で割り付けるクラスターRCTを実施した。
結論
11,980名の患者で異常が認められた。割合としては、大腸がん検診での異常が69%、子宮頸がん検診が22%、乳がん検診が8%、肺がん検診が1%、低リスクの異常が51%、中リスクの異常が31%、高リスクの異常が18%であった。
120日以内にフォローアップを完了した患者の割合は、1群22.9%、2群22.7%であったのに対し、3群31.0%、4群31.4%であった(1群と4群の絶対差8.5%)。240日後のフォローアップ完了率についても、また検診の種類や異常のリスクレベルによるサブグループごとでも、同様の結果が得られた。
評価
電子カルテ上のリマインドと郵便・電話によるアウトリーチは、フォローアップの受診率を有意に高めた。フォローアップの失敗は、対策型検診全体の効率低下にもつながるため、システム連携による介入によって精検受診率を高められるとすれば、公衆衛生上の意義は大きい。


