腎細胞がんでの術後補助エベロリムスは効果示せず:EVEREST
Adjuvant everolimus after surgery for renal cell carcinoma (EVEREST): a double-blind, placebo-controlled, randomised, phase 3 trial
背景
腎切除後の腎細胞がんは一定の割合で再発に至るが、KEYNOTE-564のペムブロリズマブが有効性を示しているほかは、確立された術後補助薬物療法はない。
アメリカOregon Health and Science University Knight Cancer InstituteのRyanら(EVEREST)は、全摘除後の再発リスクが中〜高度から超高度までの腎細胞がん患者を、54週間のエベロリムスまたはプラセボの投与へと割り付け、無再発生存期間率を比較する第3相RCTを実施した(n=1,545)。
結論
5年無再発生存率は、エベロリムス群で67%、プラセボ群では63%と、エベロリムス群で高かったものの(層別化HR 0.85)、事前に設定された有意性基準を満たさなかった。超高リスク患者での無再発生存率がエベロリムス群で高かった一方で(HR 0.79)、中〜高リスク患者では差がなかった(0.99)。
グレード3以上の有害事象は、エベロリムス群の46%、プラセボ群の11%で発生した。
評価
全体としては、エベロリムスの効果は認められなかったものの、超高リスク患者では再発抑制を認めた。これらの患者においては、mTOR阻害薬のさらなる検証が保証されている。


