「ダイエット薬」チルゼパチドの有益性を更に示す:SURPASS-6
Tirzepatide vs Insulin Lispro Added to Basal Insulin in Type 2 Diabetes: The SURPASS-6 Randomized Clinical Trial

カテゴリー
生活習慣病、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2023
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開始ページ
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背景

ブロックバスターとなった「ダイエット薬」チルゼパチドの効果に関し、さまざまな角度から報告が行われている。
アメリカ Velocity Clinical ResearchのRosenstockら(SURPASS-6)は、15ヵ国135施設で2型糖尿病患者1,428名を対象として、インスリングランギルへのその追加効果を、インスリンリスプロと比較する第3b相非劣性RCTを行った。患者をインスリングランギルに週1度チルゼパチドを追加する群と、1日3回食後インスリンリスプロを追加する群に割り付けた。一次アウトカムは、ベースライン後52週でのHbA1c値の変化である(非劣性マージン0.3%)。

結論

チルゼパチド追加群のインスリンリスプロ追加群への一次アウトカムに対する非劣性基準を満たした(-2.1% vs. -1.1%, 治療差-0.98%)。また、二次アウトカムである体重減少率およびHbA1c値7.0%以下の患者率でもチルゼパチドの有益性が認められた。有害事象は中等度の胃腸症状が最多で、低血糖イベント発生はチルゼパチド追加群が少なかった。

評価

SURPASS1-5(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34186022/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34170647/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34370970/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34672967/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35133415/)に続き、SURPASS-6も良好な結果を継続した。同薬マンジャロはすでに流行薬となっており、断薬によるリバウンドと長期使用の安全性が残された主要問題である。

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大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)