敗血症をきたした肝硬変でのアルブミン投与は死亡率低下と関連
Identification of indications for albumin administration in septic patients with liver cirrhosis
背景
アルブミンは、敗血症を来した肝硬変患者において重要な役割を果たすと考えられているが、既存研究は、蘇生時のアルブミン使用に焦点を当ててきた。
中国Southeast UniversityのHuらは、Medical Information Mart for Intensive Careデータベースから敗血症を合併した肝硬変患者(n=2,265)のデータを取得し、アルブミンの持続的投与と28日死亡率との関連を検討した。
結論
1,093名(48.3%)が1回以上のアルブミン投与を受けており、投与期間は中央値2.0日であった。28日死亡率は29.6%であった。
周辺構造モデルでは、アルブミンの持続的投与は28日死亡リスクの低下と関連していた(HR 0.76)。
アルブミン濃度が2.5〜3.0 g/dL、乳酸濃度が2 mmol/L以上、平均動脈圧(MAP)が60 mmHg未満、昇圧剤の投与量がノルアドレナリン換算0.2〜0.3 mcg/kg/分の日にアルブミン投与が開始された患者では、ベネフィットが大きかった。
評価
アルブミンは、特定の条件下で肝硬変敗血症患者の死亡率低下と関連しており、その効果は、アルブミン濃度・乳酸濃度・MAP・昇圧剤投与量によって修飾された。前向介入試験による確認が求められる。


