敗血症をきたした肝硬変でのアルブミン投与は死亡率低下と関連
Identification of indications for albumin administration in septic patients with liver cirrhosis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care
年月
July 2023
27
開始ページ
300

背景

アルブミンは、敗血症を来した肝硬変患者において重要な役割を果たすと考えられているが、既存研究は、蘇生時のアルブミン使用に焦点を当ててきた。
中国Southeast UniversityのHuらは、Medical Information Mart for Intensive Careデータベースから敗血症を合併した肝硬変患者(n=2,265)のデータを取得し、アルブミンの持続的投与と28日死亡率との関連を検討した。

結論

1,093名(48.3%)が1回以上のアルブミン投与を受けており、投与期間は中央値2.0日であった。28日死亡率は29.6%であった。
周辺構造モデルでは、アルブミンの持続的投与は28日死亡リスクの低下と関連していた(HR 0.76)。
アルブミン濃度が2.5〜3.0 g/dL、乳酸濃度が2 mmol/L以上、平均動脈圧(MAP)が60 mmHg未満、昇圧剤の投与量がノルアドレナリン換算0.2〜0.3 mcg/kg/分の日にアルブミン投与が開始された患者では、ベネフィットが大きかった。

評価

アルブミンは、特定の条件下で肝硬変敗血症患者の死亡率低下と関連しており、その効果は、アルブミン濃度・乳酸濃度・MAP・昇圧剤投与量によって修飾された。前向介入試験による確認が求められる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)