POCUSで外傷性気胸を高精度で検出する
Thoracic point-of-care ultrasound is an accurate diagnostic modality for clinically significant traumatic pneumothorax
背景
ポイント・オブ・ケア超音波検査(POCUS)は外傷性気胸の迅速な評価を可能にするモダリティであり、コクランのメタアナリシスでも、その精度は裏付けられているが、これを疑問視する研究もある(https://doi.org/10.1097/TA.0000000000003429)。
アメリカVirginia Commonwealth UniversityのDeMasiらは、同大学の外傷センターを受診した15歳以上の鈍的・鋭的外傷患者(n=846)を対象とした後向研究を行い、救急医が実施した胸部POCUSによる外傷性気胸の精度を評価した。
結論
95%が鈍的外傷であった。POCUSは、臨床的に重要な外傷性気胸15例のうち、13例を同定した(感度87%)。特異度は100%、陽性適中率は81%、陰性適中率は100%であった。胸部X線が同定した重要な気胸は8例であった(感度53%)。
専門医によるオーバーリードによれば、外傷性気胸の見逃しの主要な原因は、lung pointの兆候を認識できなかった(正常なlung slidingと誤認)ことと考えられた。
評価
臨床的に重要な外傷性気胸に限れば、胸部POCUSはその大部分を識別でき、X線より感度が高かった。偽陰性が生み出される原因を、オーバーリーディング・プロセスによって探索している点でも教育的である。


