ACS後のリバーロキサバンの致命的イベント抑制効果は、副作用リスクを凌駕する?
Fatal or Irreversible Bleeding and Ischemic Events With Rivaroxaban in Acute Coronary Syndrome
背景
急性冠症候群(ACS)発症後患者の2次予防のためのリバーロキサバン使用は、EUでは承認されているがFDAは承認していない。Harvard Medical SchoolのGibsonら(ATLAS ACS 2-TIMI 51)は、同試験結果の再解析により、アスピリンベースの通常の二重抗血小板療法への同薬の追加の有効性・安全性を検証した。不可逆的・致死的有効性アウトカムとして非出血性心血管原因死・心筋梗塞・虚血性脳卒中をとり、不可逆的・致死的安全性アウトカムとして頭蓋内出血をとった。
結論
リバーロキサバンは、致死的・不可逆的安全性イベント1例の発生に対し、105例/10,000人年の致死的・不可逆的イベントを抑制することができ、対照での11例/10,000人年の抑制を凌駕した。
評価
出血リスクは大きいものの、致命的イベントの発生抑止効果の大きさは対照を凌駕した、という興味深い再解析結果である。FDAの判断が注目されるが、JACC Editorialは「最後の言葉は未だである」としている。