ACS後のリバーロキサバンの致命的イベント抑制効果は、副作用リスクを凌駕する?
Fatal or Irreversible Bleeding and Ischemic Events With Rivaroxaban in Acute Coronary Syndrome

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
July 2018
72
開始ページ
129

背景

急性冠症候群(ACS)発症後患者の2次予防のためのリバーロキサバン使用は、EUでは承認されているがFDAは承認していない。Harvard Medical SchoolのGibsonら(ATLAS ACS 2-TIMI 51)は、同試験結果の再解析により、アスピリンベースの通常の二重抗血小板療法への同薬の追加の有効性・安全性を検証した。不可逆的・致死的有効性アウトカムとして非出血性心血管原因死・心筋梗塞・虚血性脳卒中をとり、不可逆的・致死的安全性アウトカムとして頭蓋内出血をとった。

結論

リバーロキサバンは、致死的・不可逆的安全性イベント1例の発生に対し、105例/10,000人年の致死的・不可逆的イベントを抑制することができ、対照での11例/10,000人年の抑制を凌駕した。

評価

出血リスクは大きいものの、致命的イベントの発生抑止効果の大きさは対照を凌駕した、という興味深い再解析結果である。FDAの判断が注目されるが、JACC Editorialは「最後の言葉は未だである」としている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)