局所進行直腸がんでの術前放射線治療の省略で長期毒性を軽減:PROSPECT
Patient-Reported Outcomes During and After Treatment for Locally Advanced Rectal Cancer in the PROSPECT Trial (Alliance N1048)
背景
PROSPECT(N1048)試験は、肛門温存が考慮される臨床的T2リンパ節陽性またはT3直腸がん患者(n=1,194)を、術前FOLFOX療法群(腫瘍縮小が20%未満、または副作用によりFOLFOXが中止された場合には化学放射線療法)または骨盤内照射と、フッ化ピリミジンによる化学放射線療法(5FUCRT)群へと割り付けた多施設ランダム化非劣性試験であり、臨床的アウトカムである無病生存率(DFS)について、FOLFOX単独治療の非劣性を証明した。
アメリカUniversity of North CarolinaのBaschらは、同試験における患者報告アウトカムについて発表した。
結論
940名が、PRO-CTCAEデータを報告した。
術前治療中、FOLFOX群は下痢が少なく、腸機能が良好であった一方、5FUCRT群では不安・食欲不振・便秘・抑うつ・嚥下障害・呼吸困難感・浮腫・疲労・粘膜炎・悪心・神経障害・嘔吐が少なかった。術後12ヵ月時点ではFOLFOX群で疲労・神経障害が少なく、性機能が良好であった。膀胱機能と健康関連QOLについては、どの時点でも群間差はなかった。
評価
急性毒性には大きな差がみられたものの、両群とも大半は解消した。ただし、疲労・神経障害・性機能についてはCRT群の方がリスクが高いと考えられる。日本では術前治療は標準ではないが、治療選択において考慮すべきエビデンスとなる。


