マクロファージCD31シグナリング作動薬による大動脈瘤治療の概念を提示
Macrophage CD31 Signaling in Dissecting Aortic Aneurysm

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
July 2018
72
開始ページ
45

背景

動脈瘤の形成にマクロファージが重要な役割を果たすことが知られてきている。フランスUniversite Paris DiderotのAndreataらは、Apo E-/-マウスに大動脈瘤乖離・壁内血腫(ADIM)を作成し、CD31アゴニストの治療効果を検証した。  

結論

CD31欠損マウスでは、マクロファージ浸潤により炎症が促進された。また、ADIMマウスではCD31アゴニストP8RIによりマクロファージは炎症型(M1)から組織修復型(M2)に転換し、動脈瘤・血腫形成は抑制され、コラーゲン形成が促進された。

評価

動脈瘤形成のマクロファージ駆動仮説のけん引グループの一つが、マクロファージの型転換促進シグナリング治療薬を提示した。新しいアプローチとして注目される。同薬には、心不全の有効性の報告もある(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878648018300582)。

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取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)