マクロファージCD31シグナリング作動薬による大動脈瘤治療の概念を提示
Macrophage CD31 Signaling in Dissecting Aortic Aneurysm
背景
動脈瘤の形成にマクロファージが重要な役割を果たすことが知られてきている。フランスUniversite Paris DiderotのAndreataらは、Apo E-/-マウスに大動脈瘤乖離・壁内血腫(ADIM)を作成し、CD31アゴニストの治療効果を検証した。
結論
CD31欠損マウスでは、マクロファージ浸潤により炎症が促進された。また、ADIMマウスではCD31アゴニストP8RIによりマクロファージは炎症型(M1)から組織修復型(M2)に転換し、動脈瘤・血腫形成は抑制され、コラーゲン形成が促進された。
評価
動脈瘤形成のマクロファージ駆動仮説のけん引グループの一つが、マクロファージの型転換促進シグナリング治療薬を提示した。新しいアプローチとして注目される。同薬には、心不全の有効性の報告もある(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878648018300582)。