自然気胸では胸腔穿刺か、胸腔ドレナージか
Simple Aspiration versus Drainage for Complete Pneumothorax: A Randomized Noninferiority Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
年月
June 2023
207
開始ページ
1475

背景

気胸初期治療のオプション胸腔穿刺(脱気, simple aspiration)・胸腔ドレナージ(chest tube drainage)で、高度虚脱の場合には胸腔ドレナージが多く推奨される。
フランスCentre hospitalier universitaire de BesançonのMarxらは、2009〜2015年に同国31施設で、肺と胸壁の完全な分離を呈する原発性自然気胸の成人患者(n=402)を対象に、初回治療として胸腔穿刺または胸腔ドレナージを割り付け、処置後24時間での肺拡張を比較するランダム化非劣性試験を実施した。

結論

治療失敗率は、胸腔穿刺群で29%、胸腔ドレナージ群で18%であった。胸腔穿刺群では、疼痛全体、呼吸を制限するような痛みが少なく、デバイスのキンクも少なかった。気胸の再発は、胸腔穿刺群20%、胸腔ドレナージ群27%であった。

評価

中等度以上の自然気胸に対する胸腔穿刺は、ドレナージよりも失敗率が高かった一方、疼痛やデバイスの問題は少なく、再発も少ない傾向にあった。一定の臨床的印象と一致する結果で、両手法のトレードオフの関係を示唆する。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)