自然気胸では胸腔穿刺か、胸腔ドレナージか
Simple Aspiration versus Drainage for Complete Pneumothorax: A Randomized Noninferiority Trial
背景
気胸初期治療のオプション胸腔穿刺(脱気, simple aspiration)・胸腔ドレナージ(chest tube drainage)で、高度虚脱の場合には胸腔ドレナージが多く推奨される。
フランスCentre hospitalier universitaire de BesançonのMarxらは、2009〜2015年に同国31施設で、肺と胸壁の完全な分離を呈する原発性自然気胸の成人患者(n=402)を対象に、初回治療として胸腔穿刺または胸腔ドレナージを割り付け、処置後24時間での肺拡張を比較するランダム化非劣性試験を実施した。
結論
治療失敗率は、胸腔穿刺群で29%、胸腔ドレナージ群で18%であった。胸腔穿刺群では、疼痛全体、呼吸を制限するような痛みが少なく、デバイスのキンクも少なかった。気胸の再発は、胸腔穿刺群20%、胸腔ドレナージ群27%であった。
評価
中等度以上の自然気胸に対する胸腔穿刺は、ドレナージよりも失敗率が高かった一方、疼痛やデバイスの問題は少なく、再発も少ない傾向にあった。一定の臨床的印象と一致する結果で、両手法のトレードオフの関係を示唆する。


