救急の高齢患者の意識障害、15%で頭部CT異常
Head computed tomography findings in geriatric emergency department patients with delirium, altered mental status, and confusion: A systematic review
背景
救急外来では、せん妄や意識障害を伴う高齢患者は一般的であり、スクリーニング・診断では神経画像検査が行われる場合がある。
アメリカMassachusetts General HospitalのLiuらは、救急でのせん妄・意識不鮮明・意識障害の評価の際に、神経画像検査を受けた65歳以上の患者について記載している文献を特定し、急性所見を有する患者の割合、および異常所見と関連する因子について調査するシステマティックレビューを行った。
結論
6件の研究から、意識不鮮明・意識障害患者909例の報告が含まれた。正式なせん妄診断を行っている研究はなかった。意識不鮮明・意識障害を有する高齢救急患者のうち、15.6%で頭部CTに異常が認められた。局所神経所見のある患者は13.0%、抗凝固療法を受けている患者は9.8%であった。局所神経障害の存在は、頭部CTでの異常と関連したが(オッズ比 101.8)、抗凝固療法は関連しなかった(1.2)。頭痛・外傷との関連について報告した研究はなかった。
評価
意識不鮮明、意識障害のある高齢者では、15%に頭部CTでの異常が認められた。局所神経障害は画像上の異常の強力な予測因子であった。ただ、同グループの後続研究では、意識障害の有無はCT異常所見と関連しておらず(https://doi.org/10.1016/j.ajem.2023.06.034)、これらの患者で頭部CTを行うべきかどうかは不明瞭である。