NSTEMI患者での即時CAG戦略、1年アウトカムも優れず:TOMAHAWK
Coronary Angiography After Out-of-Hospital Cardiac Arrest Without ST-Segment Elevation: One-Year Outcomes of a Randomized Clinical Trial
背景
TOMAHAWK試験は、初期リズムがショック適応か否かにかかわらず、蘇生に成功したST上昇を伴わない心筋梗塞(NSTEMI)院外心停止患者(n=554)のうち、冠動脈原性の可能性があるものを、即時の冠動脈造影検査(即時造影)または初期集中治療評価と、その後の冠動脈造影(順延造影)に割り付けた多国籍ランダム化比較試験であり、即時造影群で死亡リスクが上昇する可能性を示唆した(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2101909)。
ドイツUniversity of LeipzigのDeschらは、同試験における1年アウトカム結果を報告した。
結論
1年全死亡率は即時造影群で60.8%、順延造影群で54.3%と、非有意ながら即時造影群で死亡率が増加する傾向がみられた(HR 1.25)。1年生存患者における重度神経障害、心筋梗塞、うっ血性心不全による再入院の確率に群間差はなかった。
評価
この長期結果においても、即時CAG群で死亡率が上昇する傾向が示唆された。COACT試験やEMERGE試験もベネフィットを示せておらず、NSTEMI患者で直ちにCAGを行う必要はないと考えられる。


