Lp(a)値低下によるCHDリスク低減を定量評価
Association of LPA Variants With Risk of Coronary Disease and the Implications for Lipoprotein(a)-Lowering Therapies: A Mendelian Randomization Analysis
背景
血清Lp(a)値と冠動脈疾患(CHD)リスクの関連が認められているが、どの程度のLp(a)値低下がどの程度のCHDリスク低減をもたらすのか。英University of CambridgeのBurgessらは、5つの人口集団ベース前向コホート研究・ケースコントロール研究の、参加者レベルメンデルランダム化解析を行った(n=48,333)。
結論
実測Lp(a)濃度の遺伝的予測濃度に対する差10-mg/dLの低値は、 CHDリスクの5.8%低値と関連した(OR:0.942)。血中Lp(a)濃度101.5mg/dL低減のCHDリスク低減効果は、LDL-C濃度38.67mg/dL低減による効果と等価である。
評価
Lp(a)はLDL-Cと無関係にCHDリスクに関連するものともみられ、新薬開発の重要標的となっている。この研究は、方法論に問題はあるものの、ベースラインが相当高値な場合でなければ薬の有効性は現れないのではないか、という予測をもたらした。