アメリカの心血管疾患負荷:30年トレンドが示すもの
The Burden of Cardiovascular Diseases Among US States, 1990-2016
背景
心血管疾患(CVD)はアメリカの主要な死亡原因である。University of WashingtonのRothらは、Global Burden of Diseaseの方法論に基づき、1990〜2016年のアメリカ居住者のCVD疾病負荷のトレンド・リスク因子を解析した。主要アウトカム指標は、CVDの障害調整生存年数(DALY)である。
結論
1990〜2016年で、全州の年齢標準化CVD DALYが低下したが、9州では相対的順位が大きく上昇していた。減少率は州によって異なり、近年CVD負荷が急増した州もあった。CVD DALYは、男性が女性の2倍だった。CVD DALYの第一原因は虚血性心疾患だったが、以下は州によって異なった。このトレンドに関連したリスク因子12(収縮期高血圧・高BMI・高総コレステロール・高空腹時血糖・喫煙等)を同定した。
評価
全般的改善がみられる中、中西部諸州で負荷増が起こっており、沿岸部と内陸部の間の亀裂を反映する結果となった。著者らは、差異は社会経済要因だけには還元できないが、人種問題は強く関連しているようだ、と示唆している。

