心房細動の病態形成にマクロファージが関与する
Recruited macrophages elicit atrial fibrillation

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
Science
年月
July 2023
381
開始ページ
231

背景

心房細動(AF)の成因にマクロファージが関与する、という報告が現れた。
アメリカHarvard Medical SchoolのHulsmansらによるもので、10名のAF患者と対照健常者の心房細胞の単一細胞トランスクリプトーム解析の結果である。

結論

AF患者の心房細胞におけるCCR2+ SPP1+ マクロファージの増加が明らかとなった。心房肥大・線維化・AFを発症しやすい高血圧・肥満・僧帽弁逆流症マウスの心房細胞の単一細胞トランスクリプトーム解析でも、ヒト同様の変化が認められた。同合併症マウスにおける遺伝子改変実験では、Ccr2欠損による単球遊走阻害とSPP1欠損によるシグナル伝達阻害により、AFは低減した。

評価

炎症性マクロファージは心筋梗塞や脳卒中で出現することが報告されており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25035951/)、AFの病態形成に関与することは十分に考えられる。この論文は特に、マクロファージ由来シグナル(SPP1)という注目すべき抗AF標的を同定した点が注目される。

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取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)