電動キックボードが交通事故を起こした時のリスクはバイクの2倍:フランス
Comparison of Injuries Associated With Electric Scooters, Motorbikes, and Bicycles in France, 2019-2022
背景
電動キックボード(電動スクーター、eスクーター)は新たな都市モビリティとして世界的に利用が拡大しており、日本でも2023年に道路交通法上の規制が大きく緩和された。しかし、電動キックボードについては交通事故時のリスクも指摘されている。
フランスPitié-Salpêtrière HospitalのJamesらは、同国の重大外傷レジストリでの多施設コホート研究を実施し、電動キックボード、自転車、バイクでの交通事故後にレジストリ参加の外傷センターに入院した患者の重症度・その他のアウトカムを調査した(n=5,233)。
結論
4.4%が電動キックボード、78.2%がバイク、17.4%が自転車での事故であった。電動キックボード事故の患者数は、2019年の31件から2022年には88件へと2.8倍に増加していた(自転車1.2倍, バイク0.9倍)。電動キックボード事故患者の36.7%はアルコール濃度が基準値を上回っており、ヘルメットをつけていたのは22.5%であった。Injury Severity Scoreが16以上の重症患者は45.5%を占めた(自転車39.7%, バイク47.3%)。グラスゴー・コーマ・スケールが8以上の重症外傷性脳損傷の割合は、電動キックボード25.9%、自転車22.1%、バイク11.8%であり、死亡率はそれぞれ9.2%、10.0%、5.2%であった。
評価
利用拡大に伴い、電動キックボードによる事故は増加傾向にあるが、この研究では、重大外傷時のリスクが自転車と同程度、バイクの2倍に上ることを明らかにした。ヘルメットの着用が広く呼びかけられるべきである。ちなみに、フランスの電動キックボード規制は12歳以上で使用可能、最高速度25km、歩道通行禁止、ヘルメットは推奨のみとなっている(日本では16歳以上、最高速度20km、歩道通行可、ヘルメット推奨)。


