ショックの原因特定にPOCエコーは有用か:メタアナリシス
Diagnostic accuracy of point-of-care ultrasound for shock: a systematic review and meta-analysis
背景
ショックはその原因により4タイプに分類され、異なる治療が必要とされる。ポイント・オブ・ケア超音波検査(POCUS)は、ショックの原因の特定に有用か。
日本Yokohama City University(横浜市立大学)のYoshidaらは、ショックの病因診断におけるPOCUSの精度を評価した研究を特定し、ショックのタイプごとの診断精度をプールする系統的レビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
12件の研究、1,132名の患者がメタアナリシスに含まれた。プールされた感度・特異度は、閉塞性ショックで0.82・0.98、心原性ショックで0.78・0.96、血液量減少性ショックで0.90・0.92、血液分布異常性ショックで0.79・0.96となった。受信者動作特性曲線下面積(AUROC)は分布異常性ショックを除き、約0.95であった。陽性尤度比はすべてのタイプで10を超え、閉塞性ショックでは40であった。陰性尤度比は約0.2であった。
評価
POCUSは高い感度・PPVを有しており、閉塞性ショックでは特に高かった。ショックの原因検索に際してはPOCUSを考慮すべきであり、最初に閉塞性ショックを確認するのが合理的と思われる。また、今後の研究では患者アウトカムへの効果も検証される必要がある。


