最近のビタミンK拮抗薬服用は血管内血栓除去術後の出血リスクか?
Recent Vitamin K Antagonist Use and Intracranial Hemorrhage After Endovascular Thrombectomy for Acute Ischemic Stroke
背景
ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬(VKA)を最近服用したことのある急性脳梗塞患者では、血栓回収後の頭蓋内出血リスクが高いのか?
アメリカDuke University のMac Groryらは、アメリカ心臓協会(AHA)のGet With the Guidelines-Stroke Programで、2015年から2020年に血管内血栓回収療法(EVT)を受けた最終健常確認から6時間以内の急性脳梗塞患者において、直近7日以内のVKA服用と症候性頭蓋内出血(sICH)リスクとの関連を後向検証した(n=32,715)。
結論
9.4%がVKAを服用していた(INR中央値 1.5)。VKA服用はsICHのリスク増加と関連しなかった(6.8% vs. 6.4%, 調整オッズ比 1.12)。一方、INRが1.7超のVKA服用患者では、非服用患者と比してsICHリスクが高かった(8.3% vs. 6.4%, 調整オッズ比 1.88)。5種の事前指定二次エンドポイントについて有意な群間差は認められなかった。
評価
INR>1.7以上の患者では、EVT後のsICHリスクの上昇がみられたものの、全体としては、VKA服用の有無によってsICHリスクに差は認められなかった。これらの患者では、VKA服用はEVTの実施を妨げないと考えられる。


