脳梗塞にはtenecteplase前処置後血栓回収がスタンダードに?
Tenecteplase versus Alteplase before Thrombectomy for Ischemic Stroke

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2018
378
開始ページ
1573

背景

アルテプラーゼの脳梗塞有効性は低く、その限界を突破するために開発されたtenecteplase(TNK)は、すでにTAAIS試験でアルテプラーゼへの優位が示唆されている。オーストラリアMelbourne Brain CentreのCampbellら(EXTEND-IA TNK)は、発症後4.5時間以内の血栓回収術施行予定の主幹動脈閉塞患者202名を対象として、両者の有効性・安全性を比較する第II相RCTを行った。一次アウトカムは、虚血域の50%以上の低減または初回血管撮影上の栓子の消失である。

結論

一次アウトカム出現はTNK群で22%、アルテプラーゼ群で10%であった(非劣性・優性とも有意)。発症90日目の機能予後もTNK群が優れた。症候性頭蓋内出血発生率は両群で1%であった。

評価

同薬に関しては否定的材料は出ておらず、現在4つの第III相試験が進行中である。同薬による血栓溶解前処置の後血栓回収を行う、という戦略がスタンダード化される可能性がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)