小児橈骨遠位端骨折の初期評価はエコーで可能:BUCKLED
Ultrasonography or Radiography for Suspected Pediatric Distal Forearm Fractures

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2023
388
開始ページ
2049

背景

橈骨・尺骨の遠位端骨折が疑われる小児の初期診断では、X線画像を用いることが多いが、近年、超音波検査の有用性が示唆されている。
オーストラリアGriffith UniversityのSnellingらは、同国4施設の救急外来を受診した、外見的に変形の見られない孤発性前腕遠位端骨折患者(5〜15歳)を、ポイント・オブ・ケア超音波検査(POCUS)またはX線検査による初期画像評価へと割り付け、4週後の患肢機能についてのPOCUSの非劣性(非劣性マージン5ポイント)を評価するランダム化非劣性試験、BUCKLEDを実施した(n=270)。

結論

97%の患者で、4週目のPediatric Upper Extremity Short Patient-Reported Outcomes Measurement Information System(PROMIS)スコアが評価された。患肢の平均PROMISスコアは、POCUS群で36.4ポイント、X線群で36.3ポイントであり、POCUSの非劣性が示された。ITT解析でも結果は同様であった。臨床的に重要な骨折の見逃しはなく、有害事象にも差はなかった。

評価

このテーマについての初めてのランダム化試験であり、橈骨遠位端骨折に対する救急でのPOCUS評価が、放射線評価に劣らないことを示した。安全な代替手段として、X線検査の削減、救急滞在時間の短縮に資するだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)