小児橈骨遠位端骨折の初期評価はエコーで可能:BUCKLED
Ultrasonography or Radiography for Suspected Pediatric Distal Forearm Fractures
背景
橈骨・尺骨の遠位端骨折が疑われる小児の初期診断では、X線画像を用いることが多いが、近年、超音波検査の有用性が示唆されている。
オーストラリアGriffith UniversityのSnellingらは、同国4施設の救急外来を受診した、外見的に変形の見られない孤発性前腕遠位端骨折患者(5〜15歳)を、ポイント・オブ・ケア超音波検査(POCUS)またはX線検査による初期画像評価へと割り付け、4週後の患肢機能についてのPOCUSの非劣性(非劣性マージン5ポイント)を評価するランダム化非劣性試験、BUCKLEDを実施した(n=270)。
結論
97%の患者で、4週目のPediatric Upper Extremity Short Patient-Reported Outcomes Measurement Information System(PROMIS)スコアが評価された。患肢の平均PROMISスコアは、POCUS群で36.4ポイント、X線群で36.3ポイントであり、POCUSの非劣性が示された。ITT解析でも結果は同様であった。臨床的に重要な骨折の見逃しはなく、有害事象にも差はなかった。
評価
このテーマについての初めてのランダム化試験であり、橈骨遠位端骨折に対する救急でのPOCUS評価が、放射線評価に劣らないことを示した。安全な代替手段として、X線検査の削減、救急滞在時間の短縮に資するだろう。