CABG後初発AFは他のAFより血栓塞栓症リスクが高いわけではない
Long-term Thromboembolic Risk in Patients With Postoperative Atrial Fibrillation After Coronary Artery Bypass Graft Surgery and Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation
背景
CABG後に心房細動(AF)が初発する例があるが、その長期的血栓塞栓症リスクは。デンマークCopenhagen UniversityのButtらは、初回CABG後AF初発(POAF)患者2,108名と、マッチする外科的・非弁膜症性心房細動(NVAF)患者8,432名を対象とするケース・コントロール研究を行った。主要アウトカムおよび指標は、30日以内経口抗凝固療法開始患者の比率、および血栓塞栓症発生率である。
結論
経口抗凝固療法は、POAF群の8.4%、NVAF群の42.9%で退院後30日以内に開始された。血栓塞栓症リスクは、POAF群がNVAF群より低かった(HR:0.67)。フォローアップ時の抗凝固療法は、両群で血栓塞栓低リスクと関連していた(HR: 各0.55・0.59)。
評価
生存予後が悪いという最近のメタアナリシス(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25602053)と全面的には一致しない結論だが、ケースコントロール研究としては最大規模で信頼度が高い。血栓塞栓症だけに関しては、予防措置をしていれば特に高リスクではないということになった。

