1ページのガイドプログラムで終末期の話し合いを促進する
Intervention to Promote Communication About Goals of Care for Hospitalized Patients With Serious Illness: A Randomized Clinical Trial
背景
ケアの目標について医療者と患者・家族が話し合うことは、患者・家族中心アウトカムの改善をもたらすとされるが、重篤疾患を有する患者についての話し合いには困難がある。
アメリカUniversity of WashingtonのCurtisらは、単一医療システム内の3施設で、終末期医療を検証するDartmouth Atlasプロジェクトに参加する55歳以上の慢性疾患入院患者、または80歳以上の入院患者を対象として、患者と医師の話し合いを促すコミュニケーション促進介入と通常ケアを比較するランダム化比較試験を実施した(n=2,512)。コミュニケーション促進介入では、医師・高度実践看護師(advance practice clinicians)に患者の情報を伝え、話し合いのプロンプトを提示する1ページのJumpstart Guideがメール送信された。
結論
患者には、白人が70%のほか、アジア人、黒人、ヒスパニックが含まれた。話し合いについて30日以内に電子カルテに記録された患者の割合は、介入群で34.5%、通常ケア群で30.4%であった。人種・民族的マイノリティの患者(n=803)では、話し合いの割合が10.2%増加したが、非ヒスパニック白人では1.6%の増加に留まった。
評価
1ページのガイドをメール送信するシンプルな介入は、患者と医療者の話し合いをわずかに増加させ、マイノリティ患者では特に効果が明確であった。マイノリティ患者ではベースラインの話し合い率が低く、介入の余地が大きかったと考えられる。