術前化学療法で結腸がん再発を減らす:FOxTROT試験
Preoperative Chemotherapy for Operable Colon Cancer: Mature Results of an International Randomized Controlled Trial
背景
切除可能な局所進行大腸がんでは、術後補助化学療法が標準的に行われる。近年、術前補助化学療法(NAC)の潜在的利点が注目されているが、有効性は確立されていない。
イギリスUniversity Hospital BirminghamのMortonらは、T3-4/N0-2/M0の切除可能・局所進行結腸がん患者を、術前6週+術後18週(NAC群)または術後24週(対照群)のオキサリプラチン+フルオロピリミジン化学療法へと2:1で割り付け、腫瘍の術後残存および2年以内の再発(一次アウトカム)について比較する第3相ランダム化比較試験FOxTROTを実施した(n=1,053)。
結論
NAC群の87%がNACを完了し、NAC群の98.1%、対照群の99.2%が手術を受けた。NAC群では4.3%が手術を必要とする閉塞症状を発症したが、重篤な術後合併症は対照群よりも少なかった。NACはT/Nダウンステージングと病理学的腫瘍退縮をもたらし、病理学的完全切除率も高かった(94% vs. 89%)。残存病変・2年以内再発率もNAC群で低かった(16.9% vs. 21.5%, 率比0.72)。ミスマッチ修復機能不全腫瘍では、NACのベネフィットは小さかった。
評価
本試験は2008年に開始された、この問題についての初の第3相試験である。術前の化学療法は安全であり、完全切除率を向上させ、長期の疾患制御を改善した。切除可能結腸がんにおける新たな選択肢となりうる。