エコーで扁桃周囲膿瘍を診断できるか:系統的レビュー・メタ解析
Test characteristics of ultrasound for the diagnosis of peritonsillar abscess: A systematic review and meta-analysis
背景
扁桃周囲蜂窩織炎と扁桃周囲膿瘍の鑑別は視触診のみでは困難なケースが多く、確定診断には穿刺が必要だが、侵襲的であり、画像診断の役割に注目が集まっている。
カナダUniversity of British ColumbiaのKimらは、扁桃周囲膿瘍の診断における超音波検査のパフォーマンスをCT・針吸引/切開排膿と比較するため、システマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
18件の研究が特定され、扁桃周囲膿瘍症例のみを報告していた1件を除いた17件、812名(うち扁桃周囲膿瘍541名)が分析の対象となった。プールされた感度は86%、特異度は76%、陽性尤度比3.51、陰性尤度比0.19であった。放射線科での超音波検査の感度・特異度が89%・71%であったのに対し、ポイント・オブ・ケア超音波(POCUS)の感度・特異度は74%・79%であった。また、口腔内からの感度・特異度は91%・75%、経頸部では各80%・81%であった。
評価
扁桃周囲膿瘍に対するエコーの感度は高く、除外診断には十分と考えられたが、特異度は中程度であった。補助的に利用し、確実でない場合には、CTをオーダーするのが妥当かもしれない。