バーチャルケアチームがHFrEFのGDMTを最適化する:IMPLEMENT-HF
Virtual Care Team Guided Management of Patients With Heart Failure During Hospitalization

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
May 2023
81
開始ページ
1680

背景

アメリカの主要病院でバーチャルケアの実装が進んでいる。
Brigham and Women‘s HospitalのVaduganathanら(IMPLEMENT-HF)は、252病院のHFrEF(LVEF<40%)入院患者管理におけるGDMTの最適化のためのバーチャルケアチームガイド戦略の安全性と有効性を評価する多施設共同RCTを行った(対照:通常ケア)。バーチャルケアチーム群では、担当医は医師・薬剤師チームからGDMT最適化のための提案を受けた。一次有効性アウトカムは、GDMT最適化スコアの院内変化である。安全性アウトカムは、独立臨床イベント委員会によって判定された。

結論

バーチャルケアチームガイド戦略の一次アウトカム効果を認めた(GDMT最適化スコアの調整後差:+1.2)。GDMTの入院中新規開始・および純強化がバーチャルケアチーム群で高く、介入必要数(NNI)は5件であった。他方、バーチャルケアチーム群の21%、通常ケア群の28%で1つ以上の有害事象が生じた。急性腎障害・徐脈・低血圧・高カリウム血症・在院日数に群間差はなかった。

評価

バーチャルチームケアは、ケアチームによる患者のリモートモニタリングとオンライン協働を採り入れるシステムであり、この研究では特に薬剤最適化にフォーカスしている。難しいことが広汎に知られてきたGDMTの実装への有用性を初めて示した。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)