ステロイド使用重度アルコール性肝炎患者への予防的抗菌薬投与は支持されない
Effect of Prophylactic Antibiotics on Mortality in Severe Alcohol-Related Hepatitis: A Randomized Clinical Trial
背景
アルコール性肝炎患者では感染症のリスクが高まり、ステロイド使用への懸念となる。
フランスUniversité LilleのMathurinらは、生検診断重度アルコール性肝炎入院患者284名を対象として、プレドニゾロンへの予防的抗菌薬（アモキシシリン・クラブラン酸）併用の効果を検証するRCTを行った（対照：プラセボ）。一次アウトカムは、60日間全原因死亡である。
結論
予防的抗菌薬投与の一次アウトカム効果を認めなかった。ただし、60日間感染率は有意に低下した。
評価
2022年の代表的レビューは、ステロイド導入前の感染症スクリーニングを勧めている（https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9396323/#JCTH-D-22-00024-b33）。予防的抗菌薬投与は考えられるアプローチだが、強く支持するエビデンスを得ることはできなかった。
