T-DM1抵抗性となったHER2陽性転移乳がんでT-DXdが効果:DESTINY-Breast02試験
Trastuzumab deruxtecan versus treatment of physician's choice in patients with HER2-positive metastatic breast cancer (DESTINY-Breast02): a randomised, open-label, multicentre, phase 3 trial
背景
DESTINY-Breast01試験は、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)に不耐性・抵抗性のHER2陽性転移・再発乳がん患者においてトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)が有望であることを示した。
フランスUniversite Paris SaclayのAndreらは、世界227施設の、T-DM1歴を有する切除不能またはHER2陽性転移性乳がん患者を、T-DXdまたは主治医選択治療へと2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験DESTINY-Breast02を実施した(n=608)。
結論
無増悪生存期間(中央値)は、T-DXd群17.8ヵ月、対照群6.9ヵ月であった(ハザード比 0.36)。治療下発現有害事象として、T-DXd群では悪心、嘔吐、脱毛、疲労が一般的であった。グレード3以上の治療下発現有害事象は、T-DXd群の53%、対照群の44%で発生した。薬剤関連間質性疾患はT-DXd群の10%(42例, うち2例が死亡)、対照群の1例で発生した。
評価
T-DXd群では、進行リスクが1/3に抑制された。第3相試験としては初めて、抗体-薬物複合体(ADC)に対する耐性が、別のADCによって克服可能であることを示した点も画期的である。