スタチン治療中患者ではhsCRPに注意、フォローを:BWH大規模解析
Inflammation and cholesterol as predictors of cardiovascular events among patients receiving statin therapy: a collaborative analysis of three randomised trials

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2023
401
開始ページ
1293

背景

スタチン治療の汎化は、心血管イベントリスクに対する炎症・高脂血症の相対的寄与を変えたのではないか。
アメリカBrigham and Women's HospitalのRidkerらは、PROMINENT・REDUCE-IT・STRENGTH3試験参加者31,245名のデータ解析により、スタチン治療中患者における主要心血管イベント(MACE)・心血管死・全死亡リスク決定因子としてのhsCRP・LDLCの重要性を評価した。

結論

hsCRP値が示すスタチン治療中残留炎症リスクは、MACE発生(aHR 1.31)・心血管死亡(2.68)・全死亡(2.42)と有意に関連した。他方、LDLC値が示す残存コレステロールリスクは、MACEでは中立、心血管死・全死亡との関連は小規模化していた。

評価

汎スタチン時代におけるリスク要因の強度変化、という重要な問題に関する最初の本格解析である。スタチンにより高脂血症が管理されている状況では、慢性低強度炎症のリスク重度が増す、ということを示した。「ではどうするのが良いか」という次の問題を提起する生成研究である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)