限局性前立腺がん放射線治療へのホルモン療法追加のタイミングは?
Sequencing of Androgen-Deprivation Therapy of Short Duration With Radiotherapy for Nonmetastatic Prostate Cancer (SANDSTORM): A Pooled Analysis of 12 Randomized Trials
背景
限局性前立腺がんでの放射線治療(RT)にアンドロゲン除去によるホルモン療法(ADT)を追加すると、生存率が改善するが、RTとADTをどのような順序で行うべきかは確定されていない。
Meta-Analysis of Randomized Trials in Cancer of the Prostate(MARCAP)Consortium Investigatorsは、RTの前から最中、またはRTの最中から後に短期ADT併用を行ったランダム化比較試験12件(n=7,409)の患者個別データを解析し、RTとADTの順序が無転移生存率と全生存率に与える影響を評価した。
結論
前立腺のみへのRTでは(n=4,355)、RTの最中から後にかけてのADT併用により、無転移生存率(ハザード比 0.65)と遠隔転移(部分分布ハザード比 0.52)、前立腺がん特異的死亡率(0.30)、全生存率(ハザード比 0.69)が改善した。一報で全骨盤照射RTでは(n=3,049)、RTの最中から後にかけてのADT併用により、遠隔転移の悪化がみられた(ハザード比 1.57)以外は、治療順序による有意な差は認められなかった。
評価
RCTのプール解析により、前立腺RTに対する同時〜アジュバントでのADT併用がOSを改善することを初めて示した。全骨盤照射については、ネオアジュバント〜同時でのADT併用が有益な可能性があるが、明確ではなく、NRG/RTOG 0924試験やPIVOTALboost試験の結果が待たれる。

