COVID-19入院患者へのACEI・ARB使用は有害無益:REMAP-CAP
Effect of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor and Angiotensin Receptor Blocker Initiation on Organ Support-Free Days in Patients Hospitalized With COVID-19: A Randomized Clinical Trial
背景
成人COVID-19入院患者治療のためのアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)・アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の効果・安全性は。
REMAP-CAP Investigatorsは、779名の患者を対象として、これを検証するRCTを行った。患者を、ACEI、ARB、ARBとDMX-200(CCR2阻害薬)の併用、RAS阻害薬なしの4群に割り付た(最大10日間)。一次アウトカムは、臓器サポート不要生存日数である。
結論
安全性懸念のため、試験は早期終結された。ACEI・ARBによる一次アウトカム改善は認めず、重症患者の場合、治療によるアウトカム悪化の確率は各94.9%・95.4%であった。
評価
ACE2への結合というSARS-CoV-2の作用機序により、初期から提唱されていた仮説だが、明確なポジ結果はなかった。REMAP-CAP はこれまで最大の試験の 1 つだが、ネガ結果に終わった。試験はほぼ決定的であり、COVID-19 の世界的終息もあり、棄却された仮説として残ることになろう。ただし、高血圧等治療目的で、すでに使用されていた場合に中断すべきというエビデンスはない。

