COVID-19入院患者へのACEI・ARB使用は有害無益:REMAP-CAP
Effect of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor and Angiotensin Receptor Blocker Initiation on Organ Support-Free Days in Patients Hospitalized With COVID-19: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
April 2023
329
開始ページ
1183

背景

成人COVID-19入院患者治療のためのアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)・アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の効果・安全性は。
REMAP-CAP Investigatorsは、779名の患者を対象として、これを検証するRCTを行った。患者を、ACEI、ARB、ARBとDMX-200(CCR2阻害薬)の併用、RAS阻害薬なしの4群に割り付た(最大10日間)。一次アウトカムは、臓器サポート不要生存日数である。

結論

安全性懸念のため、試験は早期終結された。ACEI・ARBによる一次アウトカム改善は認めず、重症患者の場合、治療によるアウトカム悪化の確率は各94.9%・95.4%であった。

評価

ACE2への結合というSARS-CoV-2の作用機序により、初期から提唱されていた仮説だが、明確なポジ結果はなかった。REMAP-CAP はこれまで最大の試験の 1 つだが、ネガ結果に終わった。試験はほぼ決定的であり、COVID-19 の世界的終息もあり、棄却された仮説として残ることになろう。ただし、高血圧等治療目的で、すでに使用されていた場合に中断すべきというエビデンスはない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)