急性脳梗塞、血管内治療の麻酔法は全身麻酔か処置時鎮静か:AMETIS試験
Outcomes After Endovascular Therapy With Procedural Sedation vs General Anesthesia in Patients With Acute Ischemic Stroke: The AMETIS Randomized Clinical Trial
背景
急性脳梗塞に対する血栓回収療法は全身麻酔で行うべきか、局所麻酔で行うべきか?
フランスCentre Hospitalier Universitaire (CHU) de Clermont-FerrandのChabanneらは、同国10施設の前方循環系主幹動脈閉塞患者を対象に、全身麻酔または処置時鎮静による機械的血栓回収療法を割り付け、アウトカムを比較するランダム化比較試験AMETISを実施した(n=273)。一次複合アウトカムの定義は、90日後の機能的自立(修正ランキンスケール 0-2)、および7日以内の周術期合併症(処置関連重大有害事象、肺炎、心筋梗塞、心原性急性肺水腫、悪性脳卒中)がないこと、である。
結論
一次アウトカム率は全身麻酔群28.2%、処置時鎮静群36.2%と差がなかった。また、90日機能的自立率は各群33.3%、39.1%、周術期合併症のない患者は、それぞれ65.9%、67.4%と、いずれも有意な差はなかった。
評価
SIESTA試験、AnStroke試験、GOLIATH試験(いずれも単施設)のメタアナリシスは、全身麻酔が障害の軽減と関連することを示していたが(https://doi.org/10.1001/jama.2019.11455)、この多施設RCTでは有意なアウトカム差は示されなかった。局所麻酔で施行されることが多いが、適応を有する場合には全身麻酔でも安全と考えられる。


