敗血症性ショックへのステロイド療法はヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン併用がよい?
Comparative Effectiveness of Fludrocortisone and Hydrocortisone vs Hydrocortisone Alone Among Patients With Septic Shock
背景
初期蘇生にもかかわらず、ショック状態が持続する敗血症性ショック患者に対するステロイド療法の役割は、依然あいまいである。2018年に発表された2件の大規模ランダム化比較試験、ADRENAL試験とAPROCCHSS試験が矛盾した結果を示したことから、両試験の差が何によって生じたのか議論されてきた。
アメリカBoston UniversityのBoschらは、全米の入院の25%をカバーする保険請求データベースPremier Healthcare Databaseを用いた後向研究を実施し、2016年から2020年にノルアドレナリン投与を受けた敗血症性ショック患者において、ヒドロコルチゾン単独療法またはヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン併用療法のアウトカムを比較した(n=88,275)。
結論
2,280名がヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン併用療法を受け、85,995名がヒドロコルチゾン単独療法を受けた。一次複合アウトカム(院内死亡またはホスピス退院)率は、ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン併用療法を受けた患者で47.2%、ヒドロコルチゾン単独療法を受けた患者で50.8%と、ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン併用で有意に低かった。
評価
ネガティブ結果となったADRENAL試験はヒドロコルチゾンを、ポジティブであったAPROCCHSS試験はヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン併用を評価しており、フルドロコルチゾンの寄与は注目の問題であった。本研究は、フルドロコルチゾン併用が、より一般的なヒドロコルチゾン単独よりも有効である可能性を示唆する新たなエビデンスとなる。ただし、あくまで後向研究であり、前向検証が求められる。


