OCTが示す、プラークのびらんと破裂の病態生理学的差異
Nonculprit Plaque Characteristics in Patients With Acute Coronary Syndrome Caused by Plaque Erosion vs Plaque RuptureA 3-Vessel Optical Coherence Tomography Study
背景
急性冠症候群(ACS)は主にculprit (責任)プラーク(CP)の破裂によるとみられているが、noncalpritプラーク(NCP)の役割は不明である。Massachusetts General HospitalのJangらは、MGHのOCTレジストリ登録ACS患者82名の3枝OCTデータ(51CP・216NCO)に基づき、NCP表現型とACSの関連を検討した。
結論
CPびらん(erosion)のあった患者ではNCP数は少なかった。個別患者ベース分析では、CPびらん患者17名中にNCP破裂を伴った患者がいなかった一方、CP破裂のあった34名では26%でNCP破裂も起こっていた。プラークベース分析では、びらん群は破裂群と比較して、NCP破裂率・マクロファージ集積・微小血管形成・斑状石灰化が少なかった。LRP・TCFA・血栓に差はなかった。
評価
詳細化されてきたOCTデータに基づくCPとNCPの比較により、プラークのびらんと破裂の間には冠病変自体の病態生理学的差異がある、という仮説を提示した。