重症肺炎へのステロイドはやはり有効か:CAPE COD試験
Hydrocortisone in Severe Community-Acquired Pneumonia
背景
重症市中肺炎に対するステロイドの有効性についてはエビデンスの一致がみられず、議論が続いている。
フランスUniversite de ToursのDequinらは、重症市中肺炎でICUに入室した成人患者を、ヒドロコルチゾンまたはプラセボの静注投与(1日200 mgを臨床的改善の有無により4日または8日間、治療期間と合わせて8日または14日間のテーパリング)へと割り付け、死亡率への影響を検証する第3相ランダム化比較試験CAPE CODを実施した。
結論
第二次中間解析の後、800名がランダム化された時点で試験は中止された。28日死亡率はヒドロコルチゾン群で6.2%、プラセボ群で11.9%と、ヒドロコルチゾン群で有意に改善した。ベースラインで人工呼吸管理を受けていなかった患者のうち、ヒドロコルチゾン群の18.0%、プラセボ群の29.5%で気管挿管に至った(ハザード比 0.59)。また、ベースラインで昇圧剤投与を受けていなかった患者のうち、各群15.3%、25.0%が28日目までに昇圧剤投与を受けた(ハザード比 0.59)。
評価
重症肺炎に対するステロイドは論争的で、最近でも大規模RCTで効果を示せず(https://doi.org/10.1007/s00134-022-06684-3)、ガイドラインの対応も分かれていた。本試験では、ヒドロコルチゾン投与により挿管・昇圧剤投与が抑制され、死亡率が低下した。REMAP-CAP試験からの結果が待たれる。