外傷性出血患者での4F-PCC投与は輸血量を減らさず:PROCOAG試験
Efficacy and Safety of Early Administration of 4-Factor Prothrombin Complex Concentrate in Patients With Trauma at Risk of Massive Transfusion: The PROCOAG Randomized Clinical Trial
背景
観察研究によれば、外傷性出血の治療において、4因子プロトロンビン複合体濃縮製剤(4F-PCC)の早期投与は血液製剤使用の抑制、死亡率の低下につながると示唆されている。
フランスUniversite Grenoble AlpesのBouzatらは、レベル1外傷センター12施設の大量輸血リスクのある外傷患者を対象に、1 mL/kgの4F-PCC、または生食プラセボの静注を割り付けるランダム化比較試験PROCOAGを実施した(n=327)。
結論
患者年齢中央値は39歳、Injury Severity Score中央値は36、59%は病院前の収縮期血圧が90 mmHg未満で、69%が特別な出血制御を必要とした。24時間の血液製剤消費量(中央値)は、4F-PCC群で12ユニット、プラセボ群で11ユニットと差がなかった。1つ以上の血栓塞栓イベントを呈した患者の割合は、4F-PCC群で35%、プラセボ群で24%であった(相対リスク 1.48)。
評価
過去の研究は4F-PCC投与のメリットを示唆していたものの、このRCTでは血液製剤の消費量、死亡率などに影響せず、血栓イベントは増加させた。ルーチンに使用すべきではない。