単純CTで選択された発症時刻不明脳卒中でのtenecteplase、アウトカム改善せず:TWIST試験
Safety and efficacy of tenecteplase in patients with wake-up stroke assessed by non-contrast CT (TWIST): a multicentre, open-label, randomised controlled trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet Neurology
年月
February 2023
22
開始ページ
117

背景

発症時刻不明な脳卒中(wake-up stroke)での静注血栓溶解療法に関しては、MRIや灌流画像によって適応が確認された患者へのアルテプラーゼ投与が推奨されているが、単純CTでの患者選択とtenecteplase投与は有効か?
ノルウェーUniversity Hospital of North NorwayのRoaldsenらは、単純CT(可能であればCT血管造影)を受け、覚醒から4.5時間以内の覚醒時脳卒中患者を、tenecteplaseまたは血栓溶解療法なしへと割り付ける医師主導の多施設共同ランダム化比較試験TWISTを実施した(n=578)。

結論

患者年齢中央値は73.7歳であった。90日時点での修正ランキンスケール(mRS)による機能的アウトカムは、tenecteplaseによって有意に改善しなかった(調整オッズ比 1.18)。90日死亡率も有意な差はなかった(tenecteplase群 10% vs. 対照群 8%)。症候性の頭蓋内出血、すべての頭蓋内出血についても有意な差は認められなかった。

評価

MRIやCT灌流画像は、すべての施設で利用可能というわけではなく、単純CTによる選択でtenecteplase静注のベネフィットを示せれば意義は大きかったが、治療群間に有意な差は認められなかった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)