CD40‐TRAF6シグナリングをSTOPさせる抗動脈硬化薬TRAF-STOP
Targeting CD40-Induced TRAF6 Signaling in Macrophages Reduces Atherosclerosis
背景
アテローム性動脈硬化症(AtS)治療のための免疫‐炎症アプローチが様々に試みられている。共刺激性CD40-CD40Lダイアッドの標的化が有用と示唆されているが、免疫抑制が生じ得る。最近オランダUniversity of AmsterdamのLutgensらは、免疫抑制を回避してCD40-TRAF6相互作用を阻害する小分子TRAF-STOPを同定した。彼らは、アポリポタンパク質E欠損(Apoe−/−)マウスにおけるAtSに対するTRAF-STOP処置の効果を報告している。
結論
若いApoe−/−マウスでは、TRAF-STOP処置により単球におけるCD40・インテグリン発現が減少し、単球動員が阻害され、AtS発生が抑制された。また、AtSをすでに発症している同系マウスに対する同処置では、プラーク進行が停止した。この効果は、CD40における「古典的」免疫経路の障害によるものでなく、NF-κB経路のシグナル伝達中間体のリン酸化を低減させてマクロファージの遊動・活性化を抑制することによるとみられる。TRAF-STOPをマクロファージ特異的に標的化するためrHDLナノ粒子に組み込みApoe−/−マウスを6週間処理すると、AtS発生開始が減弱した。
評価
Canakinumabに関するCANTOS結果は議論の多いものだったものの、AtS治療を新しいランドスケープに導いた。これは、CD40-TRAFシグナリングを炎症特異的に抑制できる、という有望な小分子の同定報告である。


